フィクション

知り合いの博士の話

 自宅でいろいろな発明品を作っている博士の話である。

 数年前、娘を持つ母親から相談を受けたんじゃ。
 4月から娘が電車を乗り継いで、都心の大学に通うようになったのだが、
満員電車の中でよく痴漢に会うというんじゃ。
娘さんはよく「体にさわると電流が流れるような装置ってないのかな。」と
親にぼやくので、わしのところに来たというわけじゃ。

 わしの教え子の中にも、同じぐらいの年の女子はいるのだが、痴漢の話は
あんまり聞いたことはなかったのう。もっとも、男のわしに痴漢の相談など
するはずがないと思っとった。

 ところが、その娘さんに実際に会って納得がいったんじゃ。
その娘さんは、絵に描いたような清楚なお嬢さまだったんじゃ。
 お嬢さまと言っても、父親は名もない会社のサラリーマンじゃったし、
古いマンション住まいで、上流家庭の娘さんということではないんじゃ。
 お嬢さまというのはな、さらさらの長ーい黒髪をしておって、
いつも清潔な服装をしておって、育ちの良さそうな娘のことなんじゃ。
こういう娘が好きな男は多いからのう。

 わしは何度かその娘さんに会ったことがあるんじゃが、キューティクルが
ぴかぴか光っていて、見事なさらさらの長ーい黒髪じゃった。
18歳というから、お肌が一番きれいな年頃なんじゃろうが、色が白くて
ニキビひとつないつるつるの顔じゃったわ。おしろいを付けてないのに
そんなに白いの、って家内もびっくりしとったわ。
 髪と肌が綺麗なもんじゃから、育ちが良さそうなぴかぴかのオーラが
出とったわ。
 色白で一見おとなしそうに見えるんじゃろうが、コーラスをやっておって
ハキハキしたお嬢さまじゃったぞ。

 お嬢さまはわしのところに来るとき、いつも白いブラウスにスカートで、
きちんとした格好をしておった。
 学校に通うときも、似たような格好をしておったそうじゃ。
ブラウスの上には、ブレザーかベストを着て胸をガードしておるということ
じゃったが、それでも痴漢に会うそうじゃ。


 さて、最初の相談に話を戻そう。
 お嬢さまの条件を取り去れば、痴漢に会う確率はずっと低くなるはずじゃが
それができるなら、わしのところには相談にこんじゃろう。
 大切にお手入れしてきた髪じゃから、切りたくはないということじゃ。
ズボンで通学してはどうかと聞いてみたんじゃが、大学生になったのだから
おしゃれも楽しみたいということじゃ。
 お嬢さまはいつもウエスト位置が高いスカートじゃったから、足が長くて
スタイルが良く見えたのう。女の子はやっぱりスカートじゃのうと、わしも思ったわ。
色白のお嬢さまには白いブラウスが一番よく似合うわ。お嬢さまもそれを
わかっておられるのじゃろう。

 満員電車の中で、電流が流れる武器を持つわけにもいかんからのう、
どうしたもんじゃと悩んでおったところ、海山さんのサテンのブラウスを見て
ひらめいたんじゃ。
 金属のように電流が流れるブラウスができんかのうと。
あのようなぴかぴかのブラウスはお嬢さまも好きじゃったぞ。

 金属繊維を埋め込んで、さわると電流が流れるブラウスを作ったんじゃ。
実際にお嬢さまにも何度か着てもらって、テストをしたぞ。
 胸にさわるのはもちろん、ブラウスの裾を長くしてあるからスカートの中に
手を入れたときも、ブラウスにさわった途端ビリッとくるんじゃ。
 もちろん、着ている本人には電流が流れないよう工夫してあーる。

 気絶するような強い電流は流れないのじゃが、効果はあったようじゃ。
お嬢さまにさわった途端、ビリッときて、痴漢を働いたことがバレバレじゃ
からのう。

 最近は女性専用車の普及で、このブラウスの出番もなくなったようじゃ。

2012年1月26日追加

いい加減気づきなさい

 人生相談で叱られた話である。

私は、さらさらのロングヘアーで、おリボンが付いたふりふりのブラウスに
スカートの女子と交際したいのですが、どうしたらよいでしょうか。
オフィス街にはそのような女子がたくさんいるのに、知り合いにもなれません。 


40になった男が何を言ってるのですか。(相談した当時は、まだ40歳だった。)
あなたのイメージしている女子は何歳ぐらいですか。
だいたい20歳ぐらいですよね。
あなたから見たら、娘のような年ですよ。
あなたは、そんな女子が喜ぶような顔をしていますか。
20歳の男と比べたら、あなたの顔は明らかに老化していることに気づいてますよね。
あなたの頭髪も歯も、人並みと思っているかも知れませんが、まわりの人から見たら
老化しているのはわかりますよ。
年齢がすべてではありませんが、先のことを考えると女の子は同年代の男性を希望
するものです。

あなたが交際したいと思っているタイプの女子は、お嬢さまですよ。
お手入れの行き届いたさらさらのロングヘアーで、きれいなブラウスを着ているのは
ある程度裕福な育ちの女子だと思いませんか。あなたの今の生活は、彼女たちと
つり合いますか。
お嬢さまは、自分とつり合う男性かどうかを厳しくチェックしています。
仮にお嬢さまと同じ年齢だったとしても、交際することは難しいですよ。
お嬢さまは人気があるので、あなたが近づく以前に、交際している人がいますよ。


それから、40歳でもさらさらのロングヘアーでふりふりが好きな女子はいますよ。
でもそういう女子はおしゃれにとても気を使っていて、お金もかけています。
あなたは、そんな女子を喜ばせることができますか。
お金のかかる女子といっても、あなたの年収のことだけを言っているわけで
ないのです。そういう女子に選ばれるだけの人望が、あなたにありますか。
まあ、そんな女子で40歳だったら結婚しているでしょうが。


あなたが過去に交際しようとした女子を思い出してみてください。

20代のときは、話ぐらいは聞いてくれる女子がいた。
話ぐらいは聞いてくれるとしても、みんな、「交際している人がいます。」と言っていた。
30代になって、物欲しそうな顔で若い女子を見ると、話しかけようとしても
無視された。
・・・

まあ、そんなところでしょう。
それでも、あなたが20代だったら、あなたの好きな女子にどんどん声を
かけるのもいいでしょう。

でもあなた、いい加減気づきなさい。
あなたがお嬢さまと交際できる可能性は0です。
あなたがどうしても、ふかふかのブラウスにスカートが好きなら、
人形に着せるか、あなたが着るしかありません。

2012年9月10日追加

清楚な嫁は浪費家だった

 実際にネット上であった相談を元にした話である。

私の嫁は今もそうだが、いつも白いブラウスに紺のスカートで出勤し、
染めたりパーマをかけたりしたことのないストレートロングの黒髪をしており、
流行には興味はなく質素な生活をしている、清楚で地味な女子に見えた。

結婚前、休日のデートのときも嫁は、白いブラウスか、
襟と袖口が白いクレリックブラウスに、パステルカラーのフレアースカート、
テーラードジャケットで現れることが多かった。

私はそんな彼女が好きで、2年ほど交際したのち、めでたく結婚したのだが・・・。


実は、彼女はとても金遣いが荒く、彼女の給料はほとんど全額、彼女自身が使ってしまい、
家計には入らなかった。


彼女はいつも白いブラウスに紺のスカートというイメージで、就職してからも服を
ほとんど買わず、リクルートスーツや学生時代のスカートで出勤しているように見えた。
嫁はほとんどいつも、白のカッターブラウスを着て出勤するのだった。

嫁は小学校の先生なので、いつもカチッとした格好をしていたのだった。
小学校の先生でもカジュアルな服装で出勤する女子は多いのだが、
嫁はOLのようなブラウスやスカートが好きなのだった。

嫁は6月から9月ごろはブラウスにスカート、それ以外はいつもスーツで出勤していた。
嫁がパンツスーツで出勤することは見たことがなく、いつもスカートだった。
体育の時間だけジャージーに着替えているという。


服にはお金をかけず、質素な生活をしているように見えたのだが、
真っ白なブラウスは1年着たらおろしたての白さじゃなくなるのよね。 」と言って、
毎年のように真っ白なブラウスを買い替えるのだった。

白いワイシャツを毎年買い替える男子は珍しくないかもしれない。
しかし、嫁が着ているカッターブラウスは、1着?万円もする高級品だった。
嫁のカッターブラウスは、一見するとふつうのワイシャツなのだが、はっきりと光沢があった。
綿なのに、光沢のあるとても上質の生地を使用していた。
しかも、ハリのある上質の生地のためか、いつもアイロンがかかっているためか、
嫁のカッターブラウスは、いつもパリッとしていた。
白のカッターブラウスと言っても、前立てにフリルがついていたり、ピンタックがついていたりして
「女の子のカッターブラウス」とわかる、かわいいものが多かった。

ブラウスのフリルのアイロンがけは大変なのよね。 」と言って、外出用のブラウスは
いつもクリーニングに出すのだった。
嫁は白のカッターブラウスを毎日クリーニングに出して取り替えていた。
一方、私のワイシャツはクリーニングに出さず、私がアイロンがけしている。

フリルのないブラウスでもクリーニングに出すので、
ブラウスのクリーニングは500円もかかるのか。
オレの昼食代より高いじゃないか。
」と言うと、

嫁は、洗濯した私のワイシャツを見せて言った。
これ、1カ月前におろしたあなたのワイシャツよ。
3、4回しか着ていないのに、もう襟の内側にに汚れの首輪がついてるじゃない。
外から見ても襟が汚れてるのわかるわよ。私だったら、ここまで汚れたら着たくないわ。
こまめにクリーニングに出さないと、襟が汚れるのがわかるでしょ。
私は毎日生徒と顔を合わせているのよ。汚れたブラウスを着ていたらはずかしいわ。



嫁の出勤時に電車の駅前を嫁と歩いたことがあった。
まわりの女子学生やOLと比べて、嫁のカッターブラウスは明らかに
真っ白で光沢があって、いいブラウスを着ているように見えた。


結婚前は私も、嫁とデートするときは、パリッとアイロンがかかった
真っ白なワイシャツを着ていた。
嫁の好みに合わせた服装をアピールしたかった。

しかし、私はデートで着たワイシャツを次の日、仕事でそのまま着ていくような人間だった。
デートのときだけクリーニングしたワイシャツやスーツを着て、それ以外の日は
クリーニングしたものは着なかった。
今考えると、嫁との金銭感覚の違いが大きすぎた。
嫁はカッターブラウスを1日着ただけでクリーニングに出していた。
そして、結婚してからの私は、白のワイシャツは買わないようにしている。

嫁が毎週のように着ている、襟の高いカッターブラウスを見せてもらったが、
襟は真っ白で、襟の内側にも汚れがついているのがわからなかった。
しかもパリッとアイロンがかかっていて、いいブラウス着てるなと思った。

嫁の真っ白なカッターブラウスにネクタイを締めて会社へ行ってみたいが、
私が着た後の襟や袖口の汚れを見て、嫁にシバかれそうな気がした。 


嫁を初めて見たとき、「清潔な襟元だな」と印象に残ったのを思い出した。

嫁は他の女と違って、いつもカッターブラウスのボタンをいちばん上まで留めていた。
私はそんな嫁のファッションが好きだった。

襟が汚れることを気にして、カッターブラウスの第一ボタンを留めないという話を、
他の女子から聞いたことがあったが、嫁は「汚れたら洗えばいいのよ」と言っていた。
嫁の「洗えば」というのは、クリーニングに出すことだったのだ。



翌日、出勤前の嫁のブラウス姿をしげしげと見た。

男物とあまり変わらないシンプルなカッターブラウスだったが、
真っ白で、しわ一つなく、堅い芯の入った襟とカフスがピンとしていた。
カッターブラウスの第一ボタン をきちんと留めて、
カフスボタンもきちんと留めて、
スキのない格好をしていると思った。

襟とカフスだけでなく、カッターブラウス全体が固く糊付けされていて、
カチカチの鎧を着ているように見えた。
嫁はさらさらの髪でかわいい顔をしているのに、カチカチの鎧のようなカッターブラウスを着ていて強そうだなと思った。


私のワイシャツよりも襟が高くて、袖口はダブルカフスになっていて、
キラキラしたカフスボタン(カフリンクス) を付けていておしゃれだった。

ブラウスの裾はスカートの中に入れており、ブラウスがカチッとしていた。

スカートもプリーツにアイロンがかかっていて、ハリがあってスカートがきれいに広がっていた。


私は、「 ○○ちゃん(嫁の名前)、今日も真っ白ないいカッターブラウス着ているね。
カフスボタン付けて金持ちのお嬢さんみたいだね。
○○ちゃんのカッターブラウスはパリッと糊までついていてズルいよ。
」と言って、
嫁の肩をつかんでブラウスに顔を近づけた。

嫁は、「 あなた。このブラウス、ちょっと高かったのよ。綿なのに光沢のあるいい生地でしょ。 」と
くすっと笑って言った。

そう言われただけで私は怖くなって、嫁のブラウスを触るのをやめた。

嫁は部屋に戻ると、鏡の前でカッターブラウスの汚れやシワを入念にチェックした。

嫁は、「それでは行ってきます 」と言って出ていった。


私は以前に、嫁のブラウスを汚して痛い目にあったことがあった。

以前、嫁が真っ白なカッターブラウスを着ているときに、嫁のブラウスに顔を近づけた。
嫁は、
あなた。脂ぎった顔で近づかないで。あなたの顔、べたべたしているわ。
お仕事用のブラウスが汚れるー。
」と言ったが間に合わなかった。
私の口のまわりには朝食のハンバーグのソースが付いていて、
嫁のカッターブラウスにソースが付いてしまった。

嫁は、「あら、真っ白なカッターブラウスが汚れちゃった 」と言って悲しそうな顔をした。

私は、「 ごめんなさい。朝の忙しいときに服を汚してごめんなさい。」と言ったら、
嫁は、「ちゃんと謝ってくれるならいいわ。
ブラウスはまた買えばいいから。子供に汚されることだってあるし。
予備でブラウスもう1枚買ってもいいでしょ。あなたの支払いで。
このブラウスは2万円もしなかったと思うわ。
 」と言って笑顔を見せた。

私は、「 1着で2万円?。」と言ったら、
嫁は、「それが何か。あなたが汚したのでしょ。
私は真っ白なカッターブラウスが好きなの。

私は先生としていつも清くてきちんとした格好がしたいの。
だから、真っ白なカッターブラウスを着て、ボタンをきちんと留めているでしょ。
そんなこと言っている暇があるのだったら
ちゃんと仕事して給料上がるようになりなさい。
何度も言ってるけど、女は綺麗にしているためには金がかかるのよ。

あなたも白いブラウスを着た女が好きなんでしょ。
私が白いブラウスをもう1枚買って何か、問題でもあるの?
」と言った。
嫁のブラウスを着る以前に、嫁に小言を言われてシバかれた。

嫁のブラウス1着は、私が週5日着ているワイシャツ5着よりも高かった。
しかし、嫁には何も言い返せなかった。

嫁はほとんど怒ることはなかったが、ブラウス2着分のお金を吸い取られることになった。



嫁は基本的に1年間着用したら白いブラウスを処分していた。

嫁がある団体に寄付して処分するというブラウスを見せてもらった。
襟の内側に汚れがついているのが全くわからなかった。
着るたびにクリーニングに出しているブラウスである。汚れているはずがなかった。

よく見れば、新品のブラウスに比べてわずかにくすんだ白だったり、
襟のパリッとした固さが弱くなっていたりした。

このブラウス全然汚れてないのに手放すの。 」と言うと、
嫁は、「受け取る人のこと考えてよね。汚れてたら着れないでしょ。
汚れてなくても白のブラウスは1年で替えることにしてるの。
」と言った。

嫁が処分するカッターブラウスでいいので、着てみたいと思った。
このカッターブラウス、オレが着たいな。オレのワイシャツよりも綺麗じゃないか。 」と言うと、
嫁は、「これ、女の子のブラウスよ。あなたは着れないでしょ。
それに、男が一度着たブラウスだったら受け取る人がイヤでしょ。
取れないシミが付いたブラウスだったら捨てるから、あなた1回着てみていいわよ。
 」と言った。
嫁は、クリーニングしても取れないシミが付いたカッターブラウスは
容赦なく捨てるのだった。


ある日、嫁は捨てるブラウスをクローゼットから出していた。
嫁は、「私のブラウスはあなたにはサイズが合わないと思うけど、試しに着てみる。
ワイシャツみたいなカッターブラウスだからネクタイもできると思うわ。
捨てるブラウスだから、いらなかったら捨てといてね。
」と言って、3着のカッターブラウスを私に渡した。

まだ真っ白なカッターブラウスだったが、襟元とか袖口とかに、食べこぼしやボールペンのようなシミがあった。
そして、カッターブラウスの胸と肩には、黒いマジックで「ハイキ」と書いてあった。

嫁は捨てるブラウスであるとはっきりとわかるように黒いマジックで書いていたのだった。

家の中だけでも嫁の白いカッターブラウスを着て過ごしてみたかったが、
嫁は真っ白なブラウス、私は「ハイキ」と書かれて汚れたブラウスで、
嫁との格差をはっきりと見せられて恥ずかしくて着れなかった。

一応、嫁のカッターブラウスを着てみたのだけれど、会社には着ていけないばかりか、
汚れたカッターブラウスを自分の部屋で1人で着ていても恥ずかしかった。

嫁はずる賢いと思った。

嫁がいない間に、このカッターブラウスを洗ってみたが、もちろん汚れは落ちなかった。
私はこのカッターブラウスを着ることはなかったが、捨てられずに持っている。


糊のきいたカッターブラウスとは対照的に、嫁は、とろけるような柔らかい生地の
「ブラウス」を着ることもあった。

入学式の日、嫁は光沢のあるぴかぴかのブラウス を着ていた。
私は、「今日のカッターブラウスはとろけるように柔らかいね。糊が付いてないみたいだね。 」と言って、
嫁のブラウスに触っていると、
嫁は、「これ、カッターじゃなくてブラウスなの。
デリケートなサテンのブラウスに触らないで。ピシ、ピシッ。
このブラウスは1枚しかないのだから。 」といって私を制止した。
見た目も柔らかそうなブラウスだったが、嫁のブラウスに触ると、つるつるしていて、
とろけるような柔らかい生地だった。
これが本当に服なのかと思うほど、肌触りのいいブラウスだった。
しかも、ぴかぴかと輝くように真っ白な美しいブラウスだった。

このブラウスに顔をすりすりしてみたかったが、嫁が発狂しそうで怖かった。

嫁は、「これ、入学式のために用意していたブラウスなの。
うちの学校は女性はチョウネクタイのブラウスを着ることになったの。
 」と言いながら、
いつもと違うグレーのスーツのジャケットを着て、いつもより早く出勤していった。




服が柔らかくても、嫁は強いままだった。
ぴかぴかのブラウスが、金属製の鎧のように見えてきた。
それにしても、嫁は上質そうなピカピカのブラウス なんか着ていて、いったいいくらしたのだろう。
私のネクタイはシルクだが、触ってもこんなに柔らかくはなかった。


嫁が外出している間に、このぴかぴかのサテンのブラウスに触ってみたいとは
思っているが、嫁は用心深く、クローゼットにはいつも鍵がかかっていて、
私が触ることはできないのだった。
嫁のカッターブラウスも、クリーニングから戻ってきたら、すぐに鍵付きのクローゼット
しまわれていて、私が触ることはできなかった。

嫁のサテンのブラウスを見てからは、嫁が外出しているときはいつも
嫁のクローゼットを確認しているのだが、クローゼットの鍵が開いていることは
一度もなかった。

嫁はずる賢かった。

嫁が外出している間に触ることができるのは、自宅で洗濯する、カジュアルな服だけだった。


紳士服で、「ブラウス」に相当するアイテムは存在しないと思った。
だから、私が嫁のブラウスを着たいとは思わなかったが、女子はいろいろな服が着れて
いいなと思った。


嫁は地味なデザインの紺のスカートやジャケットしか持っていないように見えたのだが、
ほとんどは百貨店で買ったもので、ボーナスの時期になると10万円前後する
スーツを百貨店でオーダーするのだった。
もちろん、彼女のスカートやジャケットは家庭での洗濯は不可であり、1年間のクリーニング代で
安いスーツが十分買えるのだった。

嫁がスーツを着ていると、肩がカチッとしていて、ウエストがキュッと引き締まっていて、
本当にいいスーツを着ているなあと思った。


靴やバッグも、私のものより1桁高いものを使っていた。

彼女の肌に直接触れる下着類は、すべすべとして手触りがよく、高価なものを身に着けていた。

ベッドは結婚したときに1回買うだけなので許せるのだが、シーツや毛布なども高価なものを
買ってくるのだった。
人生の3分の1はベッドの上で過ごすのだから、寝具は重要なのよ。
いいものを使わないと体に悪いわよ。
」と言って聞かないのだった。



彼女は学生時代から変わらない髪型をしており、美容院に行くのが面倒なので、
髪を自然に伸ばしているように見えた。また、仕事のときは、髪を黒いゴムひもか
クリップで止めるだけの地味なアクセサリーしかつけておらず、質素な女子に見えた。

しかし、彼女はさらさら、ぴかぴかの黒髪を維持するために、月に2、3回は美容院で
トリートメントをしており、月に数万かかっているのだった。
シャンプーの使用量が異常に多いことは想定の範囲内だったが、美容院で勧められた
高いシャンプーを使っているのは知らなかった。

結婚前は、さらさらのストレートロングの黒髪が嫁のトレードマークだと思っていた。
結婚後もそれは変わらないのだが、毎日嫁を見ていると、学校行事で忙しい日が続くと
嫁の髪はごわごわして広がり始めるのだった。

ふだんは、ちょっと髪が乱れてきたなと思ったころには美容院へ行くのだった。
美容院へ行った日の嫁の髪は、恐ろしいほどぴかぴかに光っていることに気づいた。
嫁は独身時代よりも高いトリートメントを使うようになっていた。
嫁の髪を見ただけで、月に何回美容院へ行っているのかがわかるようになった。
美容院から帰ってきた嫁の顔を見ただけで、前髪がぴかぴか光っているのがわかった。


化粧品にも金がかかっていた。
彼女はいつも薄化粧で、口紅しかつけていないように見えた。会社でもデートのときも
派手な化粧をすることは一切なく、化粧品もほとんど買わないような質素な生活を
しているのだと思っていた。マニキュアをつけているのも見たことがなかった。

しかし、実際には、「お肌のお手入れは、若いときから手を抜いてはいけないの。 」と言って、
化粧品売り場のカウンターですすめられる高い化粧品を買ってくるのだった。


彼女は料理はきちんとしてくれるのだが、「いいもの食わないとだめよ。 」といって、
賞味期限の迫った食材はほとんど買わないし、割高でも国産にこだわっていて、
買い物のレシートをチェックすると、えっ、と思ってしまう。
最初にも書いたが、嫁の給料は家計には入らないため、夫婦共同で使う食費は
私の給料から出ていっている。


嫁は清楚な外見でおとなしく、あまり話す女子ではなかったので最初は気がつかなかったが、
嫁はとても美しい歯並びをしていた。

嫁は生まれつき歯並びが良かったが、成人する前に歯並びを矯正していて、
ゆがみが全くない、完璧な歯並びをしていた。
嫁は、歯並びを矯正した後は、舌で歯の裏側をなぞると凹凸がなくツルツルになっていて
大満足だったと言っていた。
しかも、嫁は初期の虫歯以外では歯の治療をしたことがなく、金属が埋まっていなくて、
ぴかぴか白い歯をしていた。

嫁はおとなしそうに見えたが、友達と撮影したスナップ写真や
学校のアルバムでは、歯並びの良いぴかぴかの美しい歯を見せて笑っていた。
さらさらの黒髪で歯並びが良い嫁は、いつもめがねをかけていて
ふつうの顔をしているのに、職員の中で一番美人に見えた。

私は歯並びを矯正しようとしても、嫁にこれだけ浪費されている状況では金がなかった。
嫁はそれを知ってか知らずか、私がガタガタの歯を見せて嫁の前で笑っても
嫁は全く意に介せず、ニコニコとしていた。


ある日、嫁は私の前でいつもよりにこにこして話していたので、
○○ちゃん(嫁の名前)は、本当に歯並びが綺麗なんだね。
歯にゆがみがないから白い歯がピカーッと輝いて見えるわ。
」と言って、
嫁の顔をじっと見た。

嫁は、「あら、相変わらず察しがいいのね。
もうすぐ新学期だから、ホワイトニングをして歯を白くしてみたの。
私は歯並びが良いから、白い歯がますます美しく輝くでしょ。
」と言った。
また、すごく高かったんだろう。 」と言うと、
嫁は、「自由診療だから仕方ないわね。3万ちょっとですけど何か。 」と言った。
○○ちゃん、歯並び良いのだからホワイトニングしなくてもキレイだよ。
家計のことも考えてよ。
」と言うと、
嫁は、「歯並び良いからホワイトニングが必要なのよ。
歯並びが悪い人がホワイトニングしても、ガタガタの歯のままでしょ。
歯並びが良い女がホワイトニングしたら、1ランク上のぴかぴかの美しい歯になるのよ。
歯並びが良いからホワイトニングの効果が出るの。
子供の前で白い歯を見せてハキハキと話すようにすると、
保護者からの評判も良くなるみたい。
」と言った。

嫁は口を大きく開けて笑った。
白い歯がピカーッと輝いて、嫁の肌が白くなったように見えた。
私は、ますます美しくなった嫁の顔を見たら、妙に納得してしまった。
嫁は顔を美しくするためには金を惜しまない女子だった。

ボクの歯が悪くなって使えなくなったら、○○ちゃんの美しい歯で
ボクのために食べ物をかみ砕いて欲しい!
」と言ったら、
嫁は、、「なにバカなこと言っているの。
そんなこと言っている暇があったら、あなたの歯をきちんと磨きなさい。
あなたの虫歯はあなたの責任でしょ。
」と言った。


とても美しい歯並びをした嫁は、すっぴんでも美しい顔だと思った。
それは結構なことなのだが、私が嫁に栄養を吸い取られて倒れてしまいそうな気がする。
嫁はドラキュラとは違う美しい歯並びをしているのに、中身は吸血鬼だと思うときがある。


もちろん、嫁の黒髪はぴかぴか光っており、毛先までまっすぐで、白いブラウスを着ていると、
後ろ姿は今でも20歳である。
交際していたときは、髪は黒くて長ければいいと思っていたが、お手入れしている髪は
ぴかぴか光っていて美しいなと思う。
それは結構なことなのだが、私は嫁に栄養を吸い取られるように髪が抜け始め、
髪のツヤどころか、地肌が露出するまで脱毛が進んでいる。 


子供はいないのだが、こんな状況だから貯金は全くできない。
毎月、給料が足りなくなってしまい、ボーナスを取り崩して何とかやっている。

2014年8月7日追加

そういえば、ネットでこんな小説があった

肉屋を営んでいる夫と、その嫁の話でした。


貧乏な夫は仕事用の服を1着しか持っていませんでした。
その服を毎日着て肉を扱う仕事をしていたものだから、エプロンをしていても服は汚れる一方でした。

肉屋を営んでいる夫には、美しい嫁がいました。

嫁は服が好きで、貧乏な家庭なのになぜか綺麗な服をたくさん持っていました。
嫁は特に「絹地の白いブラウス」が大好きで、嫁の洋服ダンスの中には、
真っ白な絹地のブラウスがいつも7着は保管されていました。

嫁は絹地の柔らかさと光沢 が好きで、ほとんど毎日、絹地の白いブラウスを着ていました。
絹地のブラウスはサテン織りで、ぴかぴかの美しい光沢を放っていました。

嫁は清潔好きで、髪と手と歯のお手入れは毎日念入りに行っていました。
髪は丁寧にブラッシングして、手にはハンドクリームをつけてお手入れしていました。
また、毎食後、丁寧に歯磨きをしていました。

おかげで嫁は、絹のようにぴかぴかの黒髪
絹地のブラウスを傷つけない、すべすべの手をしていました。
虫歯のないぴかぴか白い歯がのぞく美しい顔をしていました。

嫁は清潔好きで、同じ服を2日続けて着ることは絶対になかったのです。
嫁は、真っ白なブラウスを毎日取り替えて着ていました。



夫と嫁は同じ家に暮らしていましたが、ほとんど顔を合わさない生活でした。

ある日、夫は嫁に聞きました。
おれはこのシャツ1枚で毎日休みなく働いているのに、
お前はどうして真っ白なシャツを毎日取り替えて着ているのだ。


嫁はこの日も、つやつやとした絹地の白いブラウス を着ていました。

嫁は、「フフッ。これはシャツじゃなくてブラウスよ。
私は絹地の白いブラウスが好きだから着ているの。
」と、笑顔で答えました。


夫は嫁の肩をつかんで言いました。
おれが聞きたいのはそういうことじゃないんだ。

夫の手が、嫁の絹地のブラウスをつかんだとき、ピリピリと
音がして、絹地のブラウスに傷 がつきました。

嫁は、「 あなたが服を欲しいのなら、自分の貯金で買えばいいでしょ。
私はあなたの服を買っている余裕は無いの。
」と、意地悪そうに笑って言いました。

夫は、これ以上話しても無駄だと思って仕事に行きました。


夫の服は汚れがひどく、見た目の汚れだけでなく、臭いもひどかったのです。

嫁は、夫が離れていった後、すぐに風呂に入って、髪と手を洗い直しました。
そして、新しいブラウスとスカートに着替えました。
ついでに、歯も磨き直しました。



その夜、嫁が寝静まってから、夫は嫁の寝室に忍び込みました。
そして、洋服ダンスを開けて、嫁のブラウスを探しました。
ふつうのブラウスは見つかるのに、嫁がいつも着ている、柔らかい絹地のブラウスは見つかりません。

すると、嫁が突然起き上がり、部屋の電気をつけました。

嫁は夫に向かって言いました。
あなた、そこで何をしているのかしら。

夫は驚いて振り返って、嫁の方を見ました。

嫁に見つかってしまった恥ずかしさから、夫の顔から汗が噴き出していました。

しかし、夫は、今日こそ浪費家の嫁を叱り飛ばしてやろうと思い、言いました。
おれには着る服がないから、お前の服を探しているんだ。
お前がいつも着ている絹地のシャツはどこにあるんだ!


嫁は意地悪そうに笑って言いました。
あなたの探してるのはこれかしら。
これはシャツじゃなくてブラウスだけど。
」と言って、
ベッドの中に隠してあった、絹地の白いブラウスを夫に見せました。

夫は言いました。
それだ。他にも絹地のブラウスをたくさん持ってるだろう。

嫁は言いました。
フン、 あなた、私の服がうらやましくなったのね。
私のお気に入りの絹地の白いブラウスはね、あなたの手の届かないところにしまってあるわ。
あなたには絹地のブラウスに指一本触れてほしくないわ。
このブラウスはね、今日あなたが触ったから、傷がついて着れなくなったじゃないの。


夫は、
とりあえずお前が今持っているつやつやしたブラウスをよこせ。 」と言って、嫁に近づきました。

嫁は近くに用意してあったムチを手に取って、床をピシッとたたきました。
嫁は夫が近づいてくることを予測して、ムチを用意していたのです。
また、嫁は身を守るために丈夫な革のようなスーツを着ていました。

とても大きな音がしたので、夫は立ち止まりました。
嫁はかわいい顔をしているのに、とても強かったのです。

嫁は言いました。
人のブラウスをよこせって、あなた何なの。
あなたの服はこの部屋にはないわ。
私が本気で怒る前に早く出ていってくれないかしら。


夫は、
お前が持っている服の半分はオレのものだ。オレがもらっていく。 」と言いました。

嫁は怒って言いました。
これ以上私の部屋を荒したら、許さないわよ。
今すぐこの部屋から出ていって! 

そう言うと、嫁はムチをふるいました。
ムチからは空気を切り裂くような音がして、ムチを打つ音が大きく響きました。

怖くなった夫は、悔しいと思いながらも部屋を出ました。

夫は、絹地の白いブラウス を嫁から奪うことができませんでした。

嫁は出ていく夫に向かって言いました。
フン、泥棒みたいなことをする人とは、暮らしていけないわ。離婚よ!


その後、肉屋の夫婦はすぐに離婚しました。

(以上)

1990年代にネットで見つけた小説でした。

今考えると、矛盾点はいろいろあります。
・食品を扱う仕事なのに、なぜそんな汚れた服を着ているのだろう。
 貧乏だから許されるという問題ではないだろう。
 嫁がいつも清潔な服を着て接客して、夫は肉の仕入れとか切り分けとか、
 人目につかないところで働いているというなら話はわかるが、それなら夫婦仲は
 もっと良いはずだ。
 嫁は、夫とは違う仕事、たとえば、ピアノ教室の先生などをしていたのかも
 しれない。

・いつの時代の話だろう。
 今だったら安い服がいくらでも売っているから、かなり昔の話に違いない。
・しかし、化学繊維のないほど大昔の話ではないと思う。
 「絹地のブラウス」と言えば、本物の絹しかない時代だと、水洗いできない絹を
どうやって洗濯していたのだろう。
 そんな時代に絹のブラウスを買ったら、庶民の月収ぐらいの値段になるはず。
 貧乏な家庭の嫁が買えるはずがない。


矛盾点はありますが、「絹地の白いブラウス 」の描写にそそられました。
夫と嫁の落差にもそそられました。
2015年現在、ネット上からは削除され、私のPCにも保存されていないことが判明しましたが、
記憶を頼りに小説を再現してみました。

2015年6月7日追加

大学に進学したお嬢さま

 大学生のとき、私は女子高生の家庭教師をしたことがあった。
生徒の女子高生は、少しキツそうな表情で、ニキビがあって、かわいい感じでは
なかった。しかし、鼻が高くて、肩まであるぴかぴかのストレートのセミロングヘアー
後ろで1つにまとめていて、お嬢さま風だった。そして、授業のときはアイロンのきいた
カッターシャツにネクタイの制服をきちんと着用していた。めがねをかけていなかった。
生徒の家は特に広くはないふつうの一軒家だった。

 彼女の家に行ったとき、こんな清楚な女子と毎週顔を合わせられるなんて、
なかなかいい商売だと思った。
 初日は、学習進度や苦手分野などの確認で大きな問題はなく終わった。しかし、
彼女はかなり頭が良くて、家庭教師に求めるレベルも高いことがわかった。

2回目からは私が自信のない答えをすると、キツい表情で詰め寄られた。
ここはなぜ、このような答えになるのですか。
海○さんの説明わからないのですが。説明の方法を考えてから話していただけませんか。
私の学習進度のところを予習してから来ていただけませんか。

 さらに次の回では、「前回わからなかったところですけど、こういうことでいいのですか。
と聞かれて、私がうなずいていると、「海○さんにこういうところを教えてほしかったの
ですけど。あなた、私の家庭教師できますか。
」という感じで怒られた。
結局、彼女の家には3回通っただけで、契約を解除されてしまった。


 1年後のある日曜日、駅で電車を待っていると、彼女が隣に立っているのに気がついた。
 彼女は、大きな丸襟で肩がふくらんでふかふかの真っ白なブラウスに、太いベルトで
ウエストをキュッと引き締めて、若苗色(明るい緑色)のよく広がったフレアーの
ミニスカートに白いハイソックスという格好で、おしゃれだった。
後ろに垂らした髪はさらさらしていて、天使の輪がピカッと光っていた。
彼女のほうに顔を向けると、トリートメントのようないい香りがした。
 彼女は頭が良かったので、おそらく志望の大学に入学したのだと思った。
私は「大学生になって、お肌もキレイになってるし、きれいな服を着ておしゃれしてる。」と思った。


「ブラウスにスカート」といっても、以前の制服姿とはかなり違う印象だった。
白いハイソックスがロリータ風で髪がキレイだったので中学生のようにも見えたし、
スタイルが良く華やかなブラウスだったので、OLのようにも見えた。
年齢不祥のスタイルで、いい意味でまわりから浮き上がっている美少女の格好
だと思った。後から思えば、これがお嬢さまファッションだった。

 本当に彼女なのか自信がなかったので、私は彼女を何度かちらちらと見たが、
顔の輪郭も高い鼻も、以前の生徒の女子にまちがいなかった。 彼女は、一度だけ
ちらっとこちらを見たが、その後はずっと私を無視しておすましした顔で立っていた。
お嬢さまファッションが似合っていてすごくかわいいと思って見ているうちに
電車がきて、彼女は人ごみに消えていった。

 彼女は、私とつき合っても何の利益もないことを理解していて、今後、私とかかわり合う
つもりはないという態度を示したのだと思った。(私のことを忘れたのかも知れないが)
  一度は知り合いだったお嬢さまに完全に無視されてくやしかったが、きれいな服を着て
おすました彼女に圧倒されて、声をかけそびれてしまった。
彼女はぴかぴかのお嬢さまファッションだったが、私は3日ほど着ていたTシャツに
すその破れかけたズボンだったので、恥ずかしかった。


 家庭教師がうまくいってたら、私がこんなお嬢さまとデートできたかも知れないが、
最初に会った時点で私にはつり合わない女子だった。

2006年7月13日追加


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